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欧州スーパーリーグ構想って本気だったの!? [時事ネタ]

ヨーロッパのメガクラブが結集してスーパーリーグを創設するという構想は以前からたびたび浮き上がっていました。
そして今日、各国の12クラブが合意したと正式発表がありました。

■参加クラブ
イングランド: リバプール、マンC、マンU、チェルシー、アーセナル、トッテナム
イタリア: ユベントス、ミラン、インテル
スペイン: バルセロナ、アトレティコ・マドリー、レアル・マドリー

報道されている内容だと、

・初代会長はレアルマドリードのフロレンティーノ・ペレス
・全20チームで毎年8月に開幕
・15クラブが創設クラブとして固定参加(※残り3クラブは不明)
・前シーズンの成績に応じて毎年5クラブが予選を経て参加(※詳細不明だが各国リーグの上位クラブを指していると思われる)
・10チームずつ2つに分けてホームアンドアウェーのリーグ戦
・各組上位3チームと各組4位5位プレーオフ勝ち抜け2チームで順々決勝(※おそらくトーナメント)
・決勝は5月に中立国で一試合勝負
・試合は平日
・女子スーパーリーグも予定

これに対して国際サッカー連盟(FIFA)と欧州サッカー連盟(UEFA)の既得権益組は猛反発してます。

・参加クラブや選手は主催大会(国内、ヨーロッパ、世界の他の大会)に参加する機会を失い、選手は代表チームでプレーすることもできない

との声明まで出しちゃいました。
さすがにこのままの条件で強引に始めちゃうことは無いとは思うんだけど・・・。


問題の根幹は、選手の給与はクラブが払っているのにUEFAが試合数を増やし続けていること。
メガクラブからすると、自分たちが稼ぎ出してる利益をUEFAに吸い上げられてイライラしてるのに勝手に試合数を増やされて選手が怪我しても保証なしなんて我慢できません。
UEFAからしたら、利益を各クラブや障害者サッカー、女子リーグ等にも分配する必要があり、サッカーというスポーツの裾野を広げるために活動資金が必要、だから試合数増やして放映料稼ぐよ、という言い分。

選手の年俸や移籍金がおかしな額になってメガクラブでも赤字垂れ流してるのは自業自得。
お金についてはそりゃお互い稼ぎたいでしょうってもんですが、とりあえず現状の欧州サッカーは試合数が多すぎです。
当たり前のように週2試合とか3試合の日程とか組まれたら選手は疲弊していいパフォーマンスなんか出せずクラブ側は頭に来るってもんです。
その上で国代表への選手派遣なんて「誰が選手の給料払ってると思ってるんだ!」とクラブ側は叫びたいでしょう。
そこで現実的にはターンオーバー組のサブメンバーでお茶を濁して消化する試合も多くあります。
つまり、重要でない試合や格下相手では手を抜く、という行為です。
レベルも下がった内容になるわけで、わざわざそこまでせざるを得ない状況はおかしいです。
このところのコロナ渦で交代カードを増やしているリーグや大会もあるけど、基本的に超過密日程なのはクラブと選手にとっては大きな問題で、期待していたレベルに達しない試合を見せられるファンにとってもメリットはありません。
放映料ぼったくりのせいで今季のCLグループステージは放送がなかったことを日本人のぼくは忘れません。

だからと言ってスーパーリーグ構想には賛成できません。
一番大きいのは、創設15クラブは固定参加という点。
この15チームはたとえ全敗であろうが降格がないという時点でレベルの高さが保証されるのか疑問です。
勝つことで強豪と呼ばれてきたクラブだけ集めて同じメンツで試合してれば、「勝てない強豪」が誕生するわけでしょ・・・。
そして「勝てない強豪」であっても確実に次シーズン参加可能・・・。
強豪同士の試合は楽しみだけど、強豪である保証がないのはなんか騙されてる感じ。
15クラブのうちいくつかは、確実に何年か成績が低迷することになるのに。
なのに5チームは各国リーグ上位から貸して、なんて話は通じないと思います。

どうせやるなら15クラブが各国の連盟を脱退してスーパーリーグを設立するしかないかと。
連盟が認定する指導者や審判の資格を流用せず新たに独自ライセンス発行。
勝手にやるけど足りないモノは貸してね、なんて話はさすがに筋違いだし。
つまりワールドカップや国内リーグなどの既存のサッカー基盤は全て捨てて完全に独立した新たなリーグ設立。
国内の協会を抜けてサッカー版メジャーリーグを設立するイメージが近いかも?
既存のファン(主に地元ファン)は切り捨てて新たな客層(世界のファン)を求めるくらいの覚悟が必要そうだな・・・。

なお、UEFAやFIFAからすると全くいいことはありません。
チャンピオンズリーグの権威とレベルは確実に落ちることになります。
国内リーグもレベルが落ち、収益は下がるはず。
ワールドカップも出場できない選手が出るならどこまで盛り上がるかな?

なので、やっぱりこの案のまま進むことはないと思います。
あくまで改革の交渉材料としての脅しであり、本気で突っ走ることはないと願いたいです。

おそらく多くのサッカーファンが見たいのは「レベルの高いチャンピオンズリーグ」であり「たとえ低迷しても名門チームは出場が保証されてるスーパーリーグ」ではありません。

個人的には、既存の各国国内1部リーグ、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、の参加クラブ数(試合数)を減らしていいかなーと思うです。
各リーグ16チームずつくらいでいいし、減らせないならヨーロッパリーグとかネーションズリーグは廃止していいんじゃないかと・・・。

試合が増えることでレベルの落ちた試合(主力選手が出ない試合)が発生するけど放映料増えるから問題ない、というUEFAの方針には全く賛同できません。

なお、マンU、アーセナル、チェルシー、トッテナム、は欧州クラブ協会を脱退したという報道もありました。
これが本当なら来季以降のチャンピオンズ・リーグやヨーロッパリーグには参加できないことに・・・。
直前に再度参加するチキンレースだったらいいんだが・・・。



■今日の教訓
この騒動の最大の問題点は、メガクラブ側もUEFA側も金に目が眩んでファン目線のアイデアが皆無なのでどちらかを一方的には応援したくないところ



※2021/04/21 追記
政府、協会、他クラブ、サッカーファン、クラブサポーター、OB、監督、選手、多くの反発を受けてさくっと頓挫したようです。はえーよ。
ファンの反発をまったく予想していなかったらしいのが予想外。
分かってて強行したんじゃないのね・・・。無能すぎ。
ただ、これでメデタシってわけではなく現行レギュレーションの改革をお願いします。
新たに発表されたCLのレギュレーション変更を見るとメガクラブのポテンシャルを活かさない試合が今より更に増えそうですが・・・。



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